
東芝の悲劇 (幻冬舎単行本)
大鹿靖明
この本について
仕事をしていると、「なんでこんな無茶が上から降ってくるんだろう」とか、「組織の意思決定って、どうしてここまで歪むんだろう」と感じる場面があると思います。自分の力ではどうにもできない空気の中で、モヤモヤだけが積み上がっていく感じ。僕も同じで、その正体をつかみたくて読んだのが『東芝の悲劇』でした。 この本は、不正会計や原発事業の失敗といった表面の事件よりも、「なぜそんなことが連鎖的に起きたのか」を淡々と追っています。読者が抜き出している箇所を見ても、刺さっているのは“構造的なズレ”なんですよね。トップが現場を理解していないまま院政が続き、資料の書き直しだけが積み上がり、本質的な議論が遠ざかる。あるいは、たった三日で百億単位の利益改善を命じるような空気が、普通の人を追い詰めていく。このあたりを追体験すると、自分の働く環境で起きている小さな違和感の理由が少し見えてきます。 そしてもう一つ大きかったのは、「失敗は外部環境ではなく、人の配置ミスと組織文化の硬直から生まれる」という点が、具体的なシーンで示されていることです。誰が悪い、で終わらせず、どうすれば同じことを繰り返さずに済むのかを、自分の職場に置き換えて考えられるのがこの本の価値だと思います。 組織の中で働きながら、「なんでこうなるのか」を言語化できずにいる人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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