
パタゴニア (河出文庫)
ブルース・チャトウィン and 芹沢真理子
河出書房新社 / 2017-09-06
この本について
仕事でも生活でも、場所に縛られているような気がして、ふと「ここじゃなくてもいいんじゃないか」と思う瞬間があると思います。やりたいことはあるのに、どこでどう動けばいいのかよく分からないまま日々が流れていく、あの宙ぶらりんな感覚です。僕もよくそこで立ち止まります。 『パタゴニア』を読んで刺さったのは、チャトウィンがその迷いをごまかさず、「自分の興味に土地がどう応えるか」を探しに行った人だったということでした。文章を書く最適な場所が必ずどこかにある、という彼の説明は少しロマンチックですが、読んでいると不思議と現実味が出てきます。場所に身を置くことで思考が変わる。ヤガン語の独特な連想や、湿原や雪解けの説明を読むと、世界を見る角度そのものが土地に引っ張られていく感じがあります。 もう一つ救われるのは、この旅が「成果」を目指したものではないことです。モレスキンを手に、ただ興味の向くまま歩き、記録し、人に会い、ときには何も掴めないまま次の土地に移る。その揺れ方が、今の自分の揺れと地続きに思えました。歩く人の神様の話も、肩の力が抜けるようで好きです。 自分の興味の居場所が分からないまま動けずにいる人に、静かに効いてくる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
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