
お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 日本文学)
青山美智子, 小嶋淑子, and さくだゆうこ
ポプラ社 / 2020-11-09
この本について
仕事の選択やキャリアの流れ、人との関係……自分の意思で動いているつもりでも、気づけば「思い通りにならないこと」に囲まれているなと思うことがあります。やりたいことと生活のバランス、周りとの比較、今の場所にいる意味。どれも答えが出ないまま、ただ日々が進んでいく感じです。 『お探し物は図書室まで』を読んでいて思ったのは、迷いの渦中にいるときほど、視点を少し横にずらす余白がなくなっているということでした。酢豚のパイナップルの話みたいに、多数派と少数派のどちらが正しいかじゃなくて、自分の「好き」をどう扱うかで世界の見え方が変わる。あるいは、ぐりとぐらの話のように、結果を目的化せず、目の前の小さな作業を丁寧に積み重ねた先で思わぬ卵に出会うこともある。そんな優しい視点の転換が、この本には静かに散りばめられています。 また、パラレルキャリアや横歩きの比喩が出てくる章では、「変わること」や「レールを外れること」を過剰に怖がっていた自分に、ちょっと息継ぎをさせてもらえました。両立させるやり方を自分なりにつかめば、むしろどちらも苦しくなくなる、という考え方は肩の力が抜けます。何かを始める理由は、役に立つかどうかじゃなくて、心が動いたかどうかでいいんだな、とも。 迷いながらでも前に進みたい人、今の場所に違和感を抱えている人には、そっと寄り添ってくれる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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