
佐治敬三と開高健 最強のふたり〈上〉 (講談社+α文庫)
北康利
講談社 / 2017-10-19
この本について
仕事でも人生でも、目の前の判断が「これでいいのか」とゆらぐ時期ってありますよね。正しさよりも長い目線を持ちたいのに、日々の忙しさに押されてしまう。そんなときにこの本を読むと、少し呼吸が深くなる感じがあります。人や事業と向き合う時に必要な“時間軸”の話が、とても具体的に積み上がっているからです。 たとえば、阪急の小林一三が“ライスだけのお客を歓迎した”エピソード。数字だけ見れば完全に非効率なのに、未来の家族の姿まで想像して受け入れる。こういう判断って、いまの仕事でも同じで、短期の合理性と長期の関係性のどちらを見るべきか迷う場面に効いてくるんですよね。サントリーのビール事業が45年赤字でも続いていた話も、同じ目線の強さを感じます。 一方で、開高健のほうは、華々しい文壇デビューとは裏腹に、繊細さや迷いを抱えたまま戦地に向かう姿が描かれます。正義の皮をかぶった欺瞞を見抜こうとしたり、人間の本質にもう一度触れようとしたり、このあたりが「きれいごとでは語れない現実」を突きつけてきます。読んでいて、強さよりも“揺れながら進む姿”の方がむしろ励まされるんですよね。 短期の成果と長期の意志の間で揺れている人、あるいは“まっすぐに進めない自分”をどこかで許したい人に特に響く一冊だと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの73%が集中しています。
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