
道なき未知 Uncharted Unknown (ワニの本)
森博嗣
ベストセラーズ / 2017-11-16
この本について
仕事でも人間関係でも、「なんで自分だけこんなに迷うんだろう」と思う瞬間ってありますよね。頑張ったはずなのに報われない感じがしたり、誰かと比べて勝手に落ち込んだり、やらなきゃと思いつつも手が動かない日が続いたり。僕も同じで、そういう停滞の中で読んだ本が『道なき未知』でした。 森博嗣さんは励ましも説教もしません。ただ、物事を少し斜めから見ているだけ。でもその視点が、固まった思い込みをゆっくりほぐしてくれるんです。たとえば「好きだから向いている」という発想への違和感や、怠ける楽しさの“利子”の話、仕事は一度終わったらもう取り返せない、という死生観に近い考え方。どれも妙に現実的で、読んでいると、今の自分の行動のどこが詰まっているのかが静かに見えてきます。 特に刺さったのは、「理屈を信じて得た小さな結果の積み重ねだけが、自分を支える」という部分。派手さはないけれど、明日少しだけ違う選択ができそうな重みがありました。嫉妬しないという視点や、人間関係は“虚”を含んだ演技だという割り切りも、無理に前向きにならなくていいんだと思わせてくれます。 派手な答えを求めている人には向きませんが、日々の迷いを一段低い温度で見直したい人には、静かに効く本だと思います。
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