
テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅
児玉博
小学館 / 2017-11-20
この本について
仕事で大きな判断を迫られるとき、後から「あれって本当に最善だったのか」と考え直してしまうことがあります。数字の裏にある力学や、人の思惑まで読み切れないまま動いてしまう感じ。僕もよくその渦に巻き込まれて、決めた後にどっと疲れるタイプです。 『テヘランからきた男』は、東芝とWHの巨額案件を軸にしながら、その“読み切れなさ”がどう積み重なるのかを容赦なく描いていきます。プット・オプションの一文を読んだ人なら分かると思いますが、「契約って、こういう形で未来を固定してしまうのか」という怖さが生々しい。さらに、国の原発政策が官僚主導で動き、その波に企業がどう呑まれていくのかも具体的に描かれていて、現場で意思決定している身としては他人事ではありません。 面白いのは、西田個人の価値観や“十訓”、ジャック・ウェルチ流のルールが挟まれてくるところです。立派な言葉に見えるのに、実際の判断では綺麗に当てはまらない。そのズレが、逆に自分の仕事にも重なってきます。理想を掲げたままでは動けないし、理想を完全に捨てても迷走する。その中間でどう決めるかを考えさせられました。 大きな判断に未練が残りやすい人、組織の決断に何が乗っているのかを知りたい人には特に刺さると思います。僕自身、「決断って結局、その時点の限界条件の中でしかできないんだよな」と少し腹落ちした一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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