
波の音が消えるまで―第1部 風浪編―(新潮文庫)
沢木耕太郎
新潮社 / 2017-07
この本について
仕事でも生活でも、「どうにもならないこと」を前にすると、つい自分の力でねじ伏せようとしてしまうことがあります。でも、動かせない前提を抱えたまま立ち尽くしてしまう時期もあって、そのときの重さってなかなか言葉にしづらいんですよね。 『波の音が消えるまで』を読んでいて、読者の方が保存していた「変えられないカードのマークを、なんとか変えようとしてしまう」という一文に、まさにその気持ちが滲んでいるなと思いました。登場人物たちは合理的でも強くもなくて、むしろみっともないほど迷いながら生きています。けれど、その迷い方が不思議と自分の現実とつながって、少しだけ肩の力が抜ける瞬間があるんです。 もうひとつ印象的なのは、「心を二つにしなくてはならない何か」を抱えている人が出てくるところ。自分の中の気持ちをひとつにまとめられないとき、無理に答えを出そうとすると余計に苦しくなる。でも、この物語の人たちはその揺れの中に普通に立っていて、正しさよりも“どうにか今日を進める感じ”が丁寧に描かれています。 派手な解決策があるわけではないけれど、「割り切れなさを抱えたまま生きている人」にそっと寄り添ってくれる本です。動かせない現実と、自分の気持ちをどう折り合いながら進んでいくか。その手触りを確かめたいときに合う一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要









