
天文の世界史(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)
廣瀬匠
集英社 / 2017-12
この本について
歴史の話を聞いていると、「結局この出来事ってどういう意味だったんだっけ」と、だんだん答えだけを欲しくなってしまうことがあります。でも本当は、誰かが積み重ねてきた問いのほうが大事なんじゃないか…と、胸のどこかで薄く引っかかっている。そんなときに出会うとちょうどいいのが、この『天文の世界史』でした。 この本が面白いのは、星や暦の話が“知識の棚”に並ぶだけじゃなくて、人間の生活や宗教、文化にどう影響したのかが自然につながっていくところです。たとえばクリスマスが冬至祭と混ざって今の形になった話や、火曜や水曜の語源にローマと北欧の神々が絡んでいることなど、知っているつもりの世界が別の角度から見えるようになります。そして読み進めるほど、「昔の人たちは何を知ろうとしていたのか」という視点が少しずつ育っていきます。 もうひとつ刺さるのは、学問は“答え”より先に“問い”があるという当たり前のことを、歴史の流れの中で実感できる点です。メートルの定義だって、地球そのものを基準にしようとした試行錯誤の末に生まれたものだと知ると、数字の裏にある人間の思考の長い道のりが見えてきます。 知識を「覚えるもの」から「世界を見る道具」に変えたい人に向いている一冊です。
読書インサイト
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