
世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫)
岡田英弘
筑摩書房 / 1999-08
この本について
歴史の本を読んでいると、「いろんな知識は増えるのに、自分のなかでつながらない」というモヤっとした感覚が出てきませんか。国ごとの年号や出来事は知っているのに、その背景にある“時間と空間のスケール”がつかめないまま進んでしまう感じです。僕自身もずっとそこでつまずいていました。 この本は、いわゆる学校的な「中国史」「ヨーロッパ史」といった枠をいったん外して、遊牧民の移動や年号の意味、文字が生まれた経緯といった“文明の動き方そのもの”に視点を戻してくれます。例えば、ロシアをモンゴル帝国の継承国家として見る発想や、唐の皇帝が鮮卑系であった事実、元号を受け入れることが政治的服属の表明だったという説明は、世界のつながりをまったく別の地図で見直す感覚に近いです。自分が前提にしていた「国」「民族」「時代区分」が、ただの後付けの枠にすぎないと気づくと、歴史の読み方が急に自由になります。 読むほどに、「なぜ自分はいまの世界をこう理解していたんだろう」と一度立ち止まれるのが、この本の効き方だと思います。情報として細かい知識がほしい人より、「世界史の根っこにある構造を捉え直したい人」に向いた一冊です。
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