記憶/物語 (思考のフロンティア)

記憶/物語 (思考のフロンティア)

岡 真理

累計読者数3
平均ハイライト数 44.3件/人
推定読了時間 約3時間5分
star総合評価 76/100
start序盤集中型

この本について

日常を過ごしているだけなのに、ふと「自分が見ている現実ってこんなに滑らかなはずがないよな」とモヤっとすることがあります。ニュースや物語を通じて“理解した気になる”瞬間もあるけれど、あれって本当に出来事そのものに触れているのか、自信がなくなる。そんな曖昧さに居心地の悪さを覚える人には、この本がじわっと効いてきます。 『記憶/物語』は、暴力や喪失の“出来事そのもの”と、そこからどうしてもこぼれ落ちてしまう「語り」のあいだの溝を、丁寧に示してくれます。例えば、記憶が“自分が思い出すもの”ではなく“向こうからやってくるもの”として語られるところや、他者の暴力を映像で再現するときに入り込む欲望の問題など、一見遠いテーマのようでいて、私たちの日常の認識の癖と地続きなんですよね。自分もまた“出来事の外”に立つことで安心してしまう側なんだと気づくと、ものの見え方が少し変わります。 特に、「誰が語り、誰が語れないのか」という視点は、ニュースを読むときの姿勢や、自分の経験をどう位置づけるかにも影響してきます。わかったつもりを手放すというか、隔たりの存在を前提にしながら、それでも他者の記憶に向き合おうとする姿勢を、静かに促してくれる本です。 表面的な理解にうんざりしている人、物語を信じきれなくなった人に刺さると思います。

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出版社による紹介

記憶が死を越えて生き延びるための言葉とは
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