
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック, カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン), and 浅倉 久志
早川書房 / 1977-01-01
この本について
最近、人と話していても「ちゃんと気持ちを込めて動けているのか?」みたいな、自分の温度がよくわからなくなることがあります。忙しさで自動運転みたいになって、判断も行動もどこか型どおり。まちがっているわけじゃないけど、自分の本質に触れていない感じが続くと、ふと立ち止まりたくなるんですよね。 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、そのモヤモヤを真正面から見せつけてくる作品でした。登場するアンドロイドは、単なるロボットではなく「内側が疎外された人間」の象徴として描かれます。空っぽな定義だけを並べても、自分の言葉に感情が伴っていなければ、それはすでにアンドロイド的だという指摘は、日常に置き換えるとけっこう刺さります。また、善悪を単純に決められない状況で、それでも自分の本質に反する行為を迫られる場面が何度も出てきて、「間違うことが人生の条件」という言葉が妙にリアルに響きました。親切さや感情移入といった、目には見えない特質が人間らしさを支えているという視点は、行動の優先順位を静かに組み替えてくれます。 自分の判断がときどき空回りする人や、仕事のなかで機械的になっている自覚がある人には、とくに届くと思います。
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