
キネマの神様 (文春文庫)
原田 マハ
文藝春秋 / 2023-11-08
この本について
最近、時間の流れについていけていないような感覚があります。仕事でも家庭でも、気づいたら自分だけ足踏みしているような気がして、でも何を変えたらいいのか分からないまま一日が終わる。そんなときに思い出したのが『キネマの神様』でした。大げさな励ましではなく、日常のささいな出来事にもう一度目を向けたくなるタイプの本です。 読んでいて一番刺さったのは、「時の流れを受け入れる」というテーマが、説教ではなく具体的な場面を通して描かれているところです。父と子のキャッチボールの距離感、老いていく親への複雑な気持ち、映画館の暗闇から灯りが戻る瞬間の幸福感。どれも特別な出来事ではないのに、自分の生活と自然に重なってきます。好きなものに向けてまっすぐでいようとか、ささいな一回を雑に扱わないようにしようとか、劇的な変化ではなくても、次の日の行動が少し変わる感じがあります。 映画が好きな人だけの物語ではなく、「家族との時間」や「過ぎていく日々」にどこか引っかかりを持っている人にしっくりくる本です。派手な展開はないけれど、読み終わったあと、ふと自分の今いる場所が悪くないように思えてくる。そんな静かな効き方をする一冊です。
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多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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