
利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
山本兼一
PHP研究所 / 2010-10-01
この本について
仕事でも日常でも、気を抜くと「大きな成果」ばかりを追ってしまって、手元のことが雑になっていく瞬間ってありますよね。やらなきゃいけないことに追われているのに、どこか気持ちが落ち着かない。そんなときに読んだ人が、この抜粋を保存した理由はよく分かります。なにげない美を拾い上げていくことで、ひとつの行為に深みが生まれる──その感覚に救われたんだと思います。 『利休にたずねよ』は、歴史小説ではあるものの、茶の湯をめぐる所作の描き方が「どう丁寧に向き合うか」という視点をくれる本です。たとえば、散らかった部屋を片づけるときに、ただ片づけるのではなく、「今の自分が心地よく感じる形」を一つずつ選び取っていく感覚が戻ってくるとか。仕事のメール一通にしても、相手をどう迎えるかという姿勢で文面が変わるとか。利休の美意識は派手さとは正反対なのに、そういう小さな行為の積み重ねが、結局は日々の手応えにつながるんだなと気づかされます。 この本は、劇的に人生を変えるような指南書ではありません。でも、どこか荒れてきた自分の感覚をもう一度整えたいとき、静かな灯のように働いてくれます。大きいことより、まず目の前の小さな一つを大事にしたい人に刺さる作品です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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