
対岸の彼女 (文春文庫)
角田 光代
文藝春秋 / 2007-10-10
この本について
人との距離感でいつも疲れてしまうときがあります。仲間外れがこわいとか、誰かの機嫌を読んで立ち回ってしまうとか、ひとりでいる勇気がなかなか持てないとか。大人になっても、こういう不安って意外と抜けませんよね。私自身、仕事でも日常でも「群れに合わせるための努力」にばかり気を取られて、気持ちがすり減ることがよくあります。 『対岸の彼女』を読むと、その摩耗の理由が言葉になる感覚があります。たとえば、ひとりでいることを恐れずにいられる “何か” の存在がどれだけ大事かとか、口に出して誰かに話すだけで出来事の重さが変わることとか、派閥に巻き込まれる日常のしんどさがどれほど人を弱らせるかとか。どれも大げさではなく、生活の中の小さな行動を少しだけ変えてくれる視点なんですよね。 とくに、誰かの問題まで背負い込んでしまうタイプや、つい我慢が癖になっている人には、静かに効くと思います。自分の足で選び直すことや、必要なときに頼ることって、こんなふうにしてやっとできるようになるのかもしれない、と読んでいて何度も思いました。 人間関係でずっと肩に力が入りっぱなしの人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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