
恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (角川文庫)
角田 光代
KADOKAWA / 2009-02
この本について
恋愛のことで自分だけ何かズレてる気がする、ときどきそんな不安に襲われませんか。周りはもっと「ちゃんとした人」と恋愛しているように見えるし、自分の選んできた相手の傾向にも、なんとなく心当たりがある。それでも理由が説明しきれなくて、結局「運がない」で片づけてしまう。そんなモヤモヤに触れてくれるのが、この本でした。 角田光代さんの文章は、恋愛や仕事にある“自分の癖”を淡々と照らします。たとえば、恋愛を決めるのは運じゃなくて「その人が異性に対して何を一番大切にし、何を許せないか」という、驚くほどシンプルな設定にすぎないという視点。これに気づくと、これまでの経験の見え方がそっと変わります。また、嫌悪より無関心のほうが冷たいと言われがちな中で、むしろ節度ある無関心は信頼に近い、という感覚にも救われました。さらに、仕事の場面でも「今日の稼ぎ」ではなく「五年後のごはん代」を見るという姿勢が、妙に現実的で、でも少し背中を押してくれるんです。 どれも大げさではないし、人生を変えるような断言でもない。ただ、自分の中でうまく言葉にできなかった感覚に、そっと名前をつけてくれる。そんな本です。恋愛も仕事も、なんとなく自分の“基本設定”がつかめずにいる人に、特に刺さると思います。
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