
髙田明と読む世阿弥
髙田 明 and 増田 正造
この本について
仕事でも日常でも、ふと「今の自分、伸び悩んでないか…」と感じる瞬間があると思います。周りと比べて焦ったり、うまくいかない時期を無駄に感じてしまったり。僕もそういう停滞感を抱えるタイプで、この本を読んだとき、背中を軽く押されたような心地がありました。 特に刺さったのは、世阿弥の「初心」の考え方を、髙田明さんが現実の仕事に落とし込んでいるところです。初心を“やる気”ではなく“今の自分の未熟さを自覚する視点”として扱っていて、年齢やキャリアに関係なく持ち直せる位置取りとして語られています。昨日より今日、今日より明日と少しずつ上がっていく“自己更新”の視点は、他人と比較して疲れがちなときの救いになりました。 もう一つ印象的だったのは、相手の視点に立つことをとても具体的に説明している点です。「我見・離見・離見の見」という能の考え方が、プレゼンや仕事の段取りにそのままつながる。うまく伝わらない日の違和感を言語化してくれる感覚がありました。調子やタイミング、間の使い方をどう整えるかといった話も、抽象ではなく実務に近い温度で書かれています。 迷いながら手を動かしている人、年齢や立場が変わってももう一度“自分の基準”を作り直したい人には特に届くと思います。世阿弥の言葉を借りながら、自分の歩幅で進むための視点をそっと置いてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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