
現代語訳 風姿花伝
世阿弥 and 水野 聡
PHP研究所 / 2005-01-21
この本について
仕事でも創作でも、ある程度できるようになってきた頃に「これで合ってるのかな」と急に不安になったり、逆にちょっと褒められただけで妙に慢心してしまったり、そんな揺れが続くことがあります。自分の成長が偶然なのか実力なのかもよく分からず、手応えの薄い日が続くと、特にそうです。 『現代語訳 風姿花伝』は、そんな揺らぎに静かに輪郭を与えてくれる本でした。抜粋にもあるように、世阿弥は「花は心、種はわざ」と繰り返します。いまの成果が“たまたま咲いた花”なのか、それとも“散らない花の種”を育てている途中なのか。焦って判断せず、積み重ねた稽古の中にしか分からない、と教えてくれるところが刺さります。また、上手か下手かではなく、どんな相手からも学べる姿勢が芸の寿命を伸ばすという話が、日常の人間関係にもそのまま響きます。さらに、自分の芸風の“本”を疎かにしないこと、あれこれ手を出すより基礎を深めることが、長い目で見て力になるという視点も、迷いがちな時に効きます。 特に「伸びているのか、ただ慣れているだけなのか分からなくなる人」に向いている本です。華やかな答えはありませんが、読むたびに自分の立ち位置が少しだけ整う、そんな一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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