
マジシャンが教える 心を誘導する技術
中辰哉
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2012-06-25
この本について
人と話していて、なぜか相手が心を閉じてしまう瞬間ってありますよね。こちらに悪気はないのに、距離ができてしまったり、意図しない方向に話が転がっていったり。僕も仕事でそれを何度もやらかしてきて、「どこで間違えたんだろう」と後からひとり反省会をしていました。 この本がおもしろいのは、そういう“コミュニケーションのつまずき”を、マジシャンの視点から分解してくれるところです。人を操るとか大げさな話ではなく、「相手がどんな景色を見ているか」を読み取りながら、流れを整えるための具体的な観察や立ち位置の取り方が書かれている。虫の目と鷲の目を行き来する感覚や、相手のパーソナルスペースに入るタイミングの見極め方、失敗しても演出として回収する考え方など、日常の会話ですぐに意識できるポイントが多いんです。 特に僕が刺さったのは、“understand=自分が下に立つ”という姿勢の話。相手の背景を想像せず、つい正しさで押し切ろうとしていた自分を思い出して、ちょっと胸が痛くなりました。相手の意見の後ろにある事情を丁寧に拾えた時だけ、こちらの意図も自然と受け取ってもらえる。あの感覚を再現するヒントが、この本にはかなり詰まっています。 対人関係の「なんかうまくいかない」を自分なりに整えたい人には、じわっと効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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