
ヨブ記講演 (岩波文庫)
内村 鑑三
岩波書店 / 2014-05
この本について
人との関係で振り回されてしまう時ってありますよね。相手に期待しすぎて疲れたり、うまくいかない理由を自分でも整理できなかったり。しかも、そういう時に限って「正しく悩めているのか」すら分からなくなる。僕も同じで、そこで立ち止まった時に手に取ったのが『ヨブ記講演』でした。 この本が効いたのは、まず「人に完全さを求めてしまう癖」をやわらげてくれたことです。人は先天的に不完全で、だからこそ依りかかりすぎれば必ず失望が来る。頭では分かっていたつもりでも、こうして言語化されると、夫婦や友人関係のぎこちなさの理由が腑に落ちる感じがありました。それと同時に、信仰の有無とは関係なく、「人と神(=自分より大きいもの)」を分けて考える視点が入ることで、相手に求めすぎない距離感が自然に整っていくのを感じました。 もう一つは、ヨブ記が“疑問への答えが示されないまま終わる”という指摘です。答えが無いのに苦しみが抜け落ちる――その逆説に触れると、「問題が解けること」と「前に進めること」は別なんだという、少し現実的な安心が生まれます。悩んでいる最中ほど答えを急ぎがちですが、むしろその手前で照らされるものがある、と教えてくれる本です。 人間関係の疲れや、自分の立ち位置への迷いが長引いている人にしずかに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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