
犬にきいてみろ 花咲舞シリーズ (Kindle Single)
池井戸 潤
累計読者数5
平均ハイライト数 1.6件/人
star総合評価 29/100
boltライト読書型
この本について
仕事をしていると、「立場の違う相手の本音が分からないまま、ただ不満だけが積もっていく」という瞬間がけっこうあります。社長は社長で抱えているものがあるし、現場にも現場の事情がある。でも、そこに橋をかける言葉って、意外と誰も言ってくれないんですよね。 『犬にきいてみろ』を読んでいて刺さるのは、まさにその“見えていなかった側の重さ”が物語の中で具体的に立ち上がってくるところです。社長の連帯保証の現実を突きつける場面なんて、綺麗ごと抜きで「そりゃ簡単に文句なんて言えないよな」と思わされますし、長年経理を支えてきた人の誇りや孤独も、妙にリアルで胸に来ます。舞と相馬の掛け合いも、働いているとどうしても崩せない“距離感”みたいなものを軽やかに見せてくれて、肩の力が少し抜けました。 この本は、誰かを責めたいときよりも、「相手の立場を想像する余裕がどこかでなくなってるな」と感じたときに効いてきます。物語として軽く読めるのに、読み終わったあと、仕事場の誰かの顔がふっと浮かぶような余韻があります。 立場の違う人との関係に、うまく距離がとれなくなっている人に刺さる一冊だと思います。
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