
定年後のお金 寿命までに資産切れにならない方法 (講談社+α新書)
野尻哲史
講談社 / 2018-07-20
この本について
定年後のお金の話って、どうしても「なんとかなる」と「本当に足りるのか」のあいだで揺れませんか。働いているうちは貯めることばかり考えていたのに、いざ引き出す段階になると何を基準に動けばいいのか途端に曖昧になる。僕自身も、老後資金の計算をしてみては不安になり、また蓋をしてしまう…みたいなことを何度も繰り返していました。 この本が面白いのは、老後のお金を「使う時代」としてちゃんと設計し直してくれるところです。積み上げるだけの時期とは別に、引き出しのフェーズにもルールがあると言われると、たしかに妙に腑に落ちるんですよね。たとえば、退職金を一気に動かすのではなく、10回や20回に分けて時間をかけて市場に入れていくという発想は、日本ではあまり聞かないけれど、やってみると心理的な負担がかなり減りそうです。さらに、移住や働き方を組み合わせて「資産を守る」だけでなく「人生の選択肢を増やす」アプローチが語られていて、数字だけを追う感じにならないのも救いでした。 米国では当たり前らしい「持続可能引き出し率」や「定率引き出し」といった概念が、日本ではほとんど知られていないという指摘も、そのまま自分自身の穴を見せつけられるようで少しドキッとします。老後資金をどう動かすかを、もっと現実的に考えたい人には刺さる内容だと思います。
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