
沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち
藤井誠二
集英社 / 2018-09
この本について
なんとなく「正しさ」と「現実」のあいだでモヤモヤする瞬間ってありますよね。綺麗ごとでは片付かないのに、語られるのはいつも正しい側の言葉ばかりで、自分の感じている違和感が置き去りになるようなとき。僕も仕事でも日常でも、そのギャップに疲れることがよくあります。 『沖縄アンダーグラウンド』は、そのモヤモヤに真正面から触れてくる本でした。売春街で生きてきた人たちが「いい・悪い」で語れない事情を抱えていて、そこに対して外側からの運動や正義がどう届くのか、そのズレがとても生々しい。誰かを守るためのはずの言葉が、当事者を無自覚に傷つけてしまう場面もあって、自分が普段どれだけ“正しさの側”に寄りかかっていたかを考えさせられました。そして、共同性の強さが救いにも排除にもなるという指摘は、職場や地域での人間関係にもそのまま響きます。 この本が効くのは、答えが欲しいというより、複雑な現実をちゃんと見たい人だと思います。誰かの生き方を簡単に断じられなくなるし、「なぜこの人はこう言うのか」という背景を想像するクセがつく。ちょっと視界が広がる感じがありました。 おすすめしたいのは、「正しいはずの言葉に少し疲れている人」です。
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