
NORTH 北へ アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道
スコット・ジュレク、栗木 さつき
NHK出版 / 2018-09-25
この本について
仕事でも私生活でも、思っていたより早く“谷底にいるな”と気づく瞬間ってあります。三日前は少し余裕があったのに、気づけば自分を責めていたり、理由のわからない疲れに押しつぶされていたり。そんなときに、この本の抜粋を読んだ人が保存した気持ちはすごくわかります。強くなるどころか弱っていく自分をそのまま描いてくれる語りに、どこか安心するんですよね。 『NORTH 北へ』は、派手な成功譚ではなく、“弱っていく途中で見えてくるもの”を淡々と書いているところが効きます。たとえば、山頂から谷まで落ちるのに三日あれば十分だと知る感覚とか、孤独をもてあますほど味わった先にだけ見える景色とか、相手との違いがあるからこそ関係が続くという実感とか。読んでいると、自分もどこかの峠道を歩いているだけなんだと思えてくるんです。 それに、この本は頑張れとは言いません。むしろ、礼儀も体裁もかなぐり捨てて立ちどまる瞬間のほうが、人間らしくておもしろいと教えてくれます。ずっと強くなくていいし、歳を重ねてスピードが落ちても、それはそれで道の歩き方が変わるだけだとも言ってくれる。 自分のペースをもう一度つかみ直したい人に、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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