
グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行 (Kindle Single)
高野 史緒
早川書房 / 202307
この本について
日々の決断で迷ったり、締め切りや予定に追われていると、「時間って本当に流れてるんだっけ」とふと立ち止まりたくなる瞬間があります。頭では分かっているはずなのに、気持ちだけが置いていかれるようなあの感じです。そういう時にこの作品を読むと、自分が抱えていたモヤモヤに、意外な角度から風を通してくれるんですよね。 この本の面白いところは、時間を「当たり前の背景」として扱わないところです。抜粋にもあるように、時間そのものの実在を問い直したり、実は流れているのは情報なのかもしれないという視点が出てきます。こういう考え方に触れると、普段感じている焦りや「間に合わなさ」が、ただの思い込みだったのかもしれないと思えてきます。さらに、知らないはずの知識に戸惑う夏紀の描写が、人間の認識ってどこまで自分のものなんだろうという素朴な疑問を呼び起こしてくれて、読みながら自分の思考の仕組みまで気になってくるんです。 物語としては軽やかに読めるのに、読み終わったあとに「時間」と「自分の感覚」を少し別物として扱えるようになる。その距離感が、この作品の効き方だと思います。自分の思考に振り回されがちな人に刺さるタイプの本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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