
日本の税金 第3版 (岩波新書)
三木 義一
岩波書店 / 2018-09
この本について
税金の話って、日常の中でずっと触れているのに、いざ「なぜこうなっているのか」を考えようとすると急に霧が出るような感じがしませんか。消費税の転嫁や、給与所得だけ妙にきっちり把握されている理由、寄附金控除の扱いなど、どこかで「説明されていない前提だけが先に走っている」ようなモヤモヤが残ることが多いと思います。 『日本の税金 第3版』は、そのモヤモヤを一気に晴らすというより、霧の中に薄く道筋を描いてくれる本でした。たとえば、消費税の転嫁が本来は事業者の自由なはずなのに、特別措置法で“転嫁していません”という表示が禁止されている理由を丁寧にほどいてくれる。あるいは、トービン税のように国境を超えるお金の動きにどう課税しうるのか、といった日本の外側の視点まで含めて、税制が「政治」と「現実の人間の生活」のあいだでどう揺れているのかが立体的に分かります。 さらに、給与所得者と事業所得者で把握率が全然違うことや、所得控除が高所得者に有利になりがちな構造、家族単位と個人単位の扱いが都合よく揺れている現状など、普段なんとなく不公平に感じていた部分に言葉と仕組みが与えられる感覚があります。読みながら、税金を巡る「なんで?」が小さくほどけていって、仕事や家計の判断に使える視点が少し増える本です。 制度の裏にある論理を、自分の生活感と結びつけて理解したい人に刺さると思います。
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