
傾聴のコツ―――話を「否定せず、遮らず、拒まず」 (知的生きかた文庫)
金田 諦應
この本について
人の話を聴くとき、つい「なんとかしてあげなきゃ」と力んでしまうことってありませんか。アドバイスを考えているうちに相手の言葉が入ってこなくなったり、自分の価値観を押しつけてしまって後でモヤモヤしたり。僕も同じで、親しい人ほど空回りしがちでした。 この本がそっと効いてくれたのは、傾聴を“問題を解決する場”ではなく、“相手が少し呼吸できるように場を整えること”として描いていたところです。悩みをなくす必要はなくて、固くなった心が少しほぐれればいい。そんな現実的な姿勢が、妙に肩の力を抜いてくれました。また、相手の話を「全肯定」するためには自分を否定するという表現が出てきますが、それは自分を無にすることではなく、自分の枠をいったん横に置くという意味だと書かれていて、ここも個人的にかなり腑に落ちました。 もうひとつ印象に残ったのは、相手の“情報”ではなく“心の声”を聴くという視点です。事実を整理するより、「この人はいまどんな物語の中にいるんだろう」と想像しながら耳を傾ける。それだけで会話の深さが変わってくる感覚があります。相手の感情に踏みとどまる姿勢を慈悲と呼んでいて、これはスキルというより生き方そのものに近いかもしれません。 身近な人の話をもっと丁寧に聴きたいけれど、どうすればいいか迷っている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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