
暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~
牧久
小学館 / 2019-04-28
この本について
仕事でも組織でも、トップの一声で空気が一気に変わってしまう場面ってありますよね。本人の資質と周囲の忖度が混ざり合い、気づけば誰もブレーキを踏めなくなる。自分も「これは組織の“体質”の話なんだろうな…」とわかっていても、目の前の現実にどう向き合えばいいのか迷うことがあります。 この本は、国鉄からJRに移る激動期の中で、松崎明という人物と組織がどう変質し、周囲の人たちがどう巻き込まれていったのかを克明に追っています。読んでいて刺さるのは、権力の暴走そのものよりも、周囲が声を上げられなくなる過程や、立場によって同じ出来事の意味が全く変わってしまう点でした。人事一つが誰の意思で決まったのか分からず、管理職が右往左往するシーンは、今の自分たちの職場にも置き換えられてしまいます。理想や理念を掲げていた人が、気づけば組織そのものを私物化していく過程も、遠い世界の話ではありません。 決して「教訓めいた正しさ」を押しつけてくる本ではないのですが、自分の立っている組織で何が起きているのか、どこから歪みが生まれるのかを考えるきっかけにはなります。特に、なぜ人は権威に寄りかかり、組織は自浄作用を失うのか、そのリアルな描写が腑に落ちます。 職場の力関係や組織の空気に疲れた人、あるいは「なぜこんな動きになるのか」とモヤモヤしている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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