
ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと
奥野克巳
新潮社 / 2023-04-26
この本について
最近、がんばっているはずなのに気持ちが重いままだったり、「反省ばかりして疲れる…」と感じることがありませんか。仕事でも家庭でも、正しくあろうとするほど身動きがとれなくなるあの感覚、けっこう共通の悩みなんだと思います。 この本を読んで印象的だったのは、森で暮らすプナンの人たちが、私たちとはまったく違う前提で生きているという事実でした。失敗しても個人の責任にせず、反省も将来の計画もほとんどしない。それなのに、社会がきちんと回っていて、精神的な不調を抱える人がほとんどいないという指摘には、ちょっと足が止まりました。何かを「教える」のではなく、時間をかけて染み込ませるように身につけるという子どもへの関わり方も、私たちの急ぎがちな日常を映す鏡のように感じます。 読んでいて、自分が当然だと思っていた前提がひっくり返される瞬間がいくつもありました。感謝や負い目をどう扱うか、学校という制度がどんな価値観を前提にしているのか。プナンという“外側”から見ることで、普段の暮らしの見方が少しずつゆるむ。劇的に変わるというより、固定されていた呼吸がほぐれていくような読み心地です。 「いつも自分を責めがちな人」や「もっと別の生き方のリズムを知りたい人」に静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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