
はじめての人類学 (講談社現代新書)
奥野克巳
講談社 / 2023-08-23
この本について
仕事でも生活でも、自分の「当たり前」が通じない場面に出くわすと、妙に落ち込んだり、相手を理解できないまま距離を置いてしまうことがあるんですよね。頭では“価値観はいろいろある”と分かっていても、実際の行動となると固まってしまう感じです。僕も同じようなつまずきを繰り返してきました。 『はじめての人類学』が面白いのは、この行き詰まりを力技で解決しようとせず、視点の幅をちょっとずつ広げてくれるところです。文化を「生のあり方」としてとらえたり、知識よりも、外に出て経験に晒されることで得られる「知恵」を大事にする姿勢に触れると、自分が見ている世界がどれだけ限定的だったかに気づかされます。知らない土地に出向いたときの“あれ、思ってたのと違うぞ”という感覚を、そのまま思考の材料にしていいんだと背中を押してくれる本でもあります。 さらに、この本で語られるクラ交易の話や、インゴルドの「ともに考える」という姿勢は、他者との関わり方を静かに揺さぶってきます。相手と利益を交換するだけじゃなく、関わることで自分のラインが変わっていく。そんな捉え方を知るだけで、人との距離の取り方がすこし柔らかくなる気がします。 自分の見方が固まりすぎているかも、と感じている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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文化人類学の思考法
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