
西洋占星術史 科学と魔術のあいだ (講談社学術文庫)
中山茂
講談社 / 2019-09-12
この本について
占いを見ても「当たる・当たらない」より先に、なんでこんなに人は星に意味を求めるんだろう…とモヤっとすることがあるんですよね。信じてもいないけど完全に無視もできない。その中途半端な距離感が自分でも処理しにくかったりします。 この本を読んで少し気が楽になったのは、占星術を信仰でも科学でもなく「歴史現象」として見られるようになったことでした。たとえば、バビロニアの天文観測からギリシャに伝わった宿命論、キリスト教との距離感、ルネサンスでも激しく論争されていた事情…こういう文脈を知ると、いまの占星術ブームも「第三期の中興」として落ち着いて眺められます。占いそのものより、人間がどんな理由で星に意味をつけてきたのか、その積み上げが見えてくる感覚です。 さらに、天文学が新しい惑星を発見してから占星術が後追いで解釈を調整していく──そんな「ずれ」も丁寧に説明されていて、占星術を一枚岩の体系として扱わず、現実社会に合わせて変形してきた営みとして描かれているのがありがたいところでした。信じる・信じないの二択ではなく、距離の取り方を学べる本です。 占いやスピリチュアルを「嫌いじゃないけど、どこまで距離を取ればいいか悩む人」にとくに刺さると思います。
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