
保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)
宇野重規
PHP研究所 / 2011-02-28
この本について
最近、「変化にどう向き合えばいいのか」がずっと自分の中で引っかかっています。進歩しないのも不安だけど、かといって“全面改造”のような話を素直に飲み込めるほど強気でもない。何を大事にして、どこから疑って、どこで踏みとどまればいいのか。その基準がよく分からないまま日々のニュースに振り回されてしまう感じです。 この本がおもしろいのは、保守主義を「昔をありがたがる態度」としてではなく、「何を選び直して守るか」という能動的な姿勢として描いているところでした。バークが革命に反対したのも、現状維持というより、自由を守る制度を壊さないための判断だったという指摘は、自分の中の“守る”のイメージをかなり揺さぶります。また、ハイエクの「個人が社会全体を把握するなんて無理だ」という慎重さや、チェスタトンの“理性だけに閉じこもると狂気に向かう”という話など、時代も国も違う思想家が同じ問いに向き合っているのが印象的でした。 読んでいて特に刺さったのは、「伝統を説明できないまま絶対化すると原理主義になる」という部分です。守りたいものがあるのは悪いことじゃないけれど、理由を棚に上げてしまうと議論が止まる。この距離感は、日常の判断にもそのまま持ち込める感覚でした。 政治思想というより、「揺れる自分の足場をどうつくるか」を考えたい人に向く一冊です。
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