
保守とは何だろうか (NHK出版新書)
中野 剛志
NHK出版 / 2013-10-10
この本について
政治のニュースを見ていて、「保守って結局どういう立場なんだっけ…?」と立ち止まることが多い人は多いと思います。自分もそのひとりで、特に新自由主義との距離感がよく分からないまま、「改革」と「伝統」が同じ口で語られる不思議さにモヤモヤしていました。 この本は、その混線をほどいてくれます。たとえば、いまの“保守”がなぜ新自由主義と結びついたのか、そしてその結果、むしろ自分たちの足場である生活様式や共同体を弱らせてしまったのはなぜか――そんな流れが、歴史と思想を行き来しながら落ち着いた筆致で語られます。読み進めると、自由市場への過信がどこで破綻したのか、そして本来の保守が大事にしてきた「社会の一体感」や「連帯」といった感覚が、政治的な立場以前に、生活者としてどれほど重要だったのかに気づかされます。 個人的に助かったのは、保守がそもそも抽象的な一般原則を持たないからこそ、環境に合わせて判断する柔軟さを美徳としてきた、という視点です。これを知ると、「保守=変化を嫌う」という単純化から一歩抜け出せて、いまの政策論争も少し違う角度で見えるようになりました。 思想書ではあるのですが、政治に強くない人ほど腑に落ちる部分が多い一冊です。いまの日本政治の言葉づかいに違和感がある人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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