
資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ (角川新書)
中野 剛志
KADOKAWA / 2015-02-10
この本について
仕事でも生活でも、なんとなく「自分の力ではコントロールできないものが増えているな…」と感じるときがあります。成果より空気で評価が揺れたり、短期の数字に振り回される職場で腰を据えて技術や経験を積む感覚が持てなかったり。自分のせいじゃないと頭では分かっていても、どこか落ち着かないあの感じです。 この本は、そのモヤモヤを「今の資本主義の構造が生んでいる不安定さ」として説明してくれます。たとえば、株価がちゃんとした評価ではなく群集心理に流されやすいこと。投機が誰かの損の上に成り立つゼロサムであること。あるいは、本来は技術や熟練の積み重ねに向かうはずの“製作者本能”が、営利の論理に押しつぶされていること。どれも日常で感じる違和感を言語化してくれる視点でした。 読みながら、「これは自分の努力不足とか性格の問題じゃなくて、構造の問題なんだな」と少し肩の力が抜けます。長期で働く人を大事にする仕組みが弱っていくと、誰も人生の設計ができなくなる──そんな指摘も、働き方の選択に悩むときの土台として効いてきます。完璧な処方箋がある本ではないですが、いま感じている息苦しさを別の角度から見直せる一冊です。 特に、短期志向の組織で働きながら「本来の仕事の価値ってなんだっけ」と立ち止まってしまう人に刺さります。
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