
統合失調症 (岩波新書)
村井 俊哉
主婦の友社 / 2017-06-02
この本について
統合失調症について考えるとき、どこまでが病気で、どこからがその人自身の物語なのか、判断がつかずに戸惑うことが多いと思います。原因を一つにまとめて理解したくなるけれど、遺伝も環境も決定打がなく、結局「よくわからないことが多い」というところで立ち止まってしまう。周りに当事者がいるときほど、そのもやもやは強くなるはずです。 この本が助けになるのは、統合失調症を“正しく怖がる”ための視点をくれるからです。たとえば、幻覚や妄想といった症状を「病名」ではなく「組み合わせで現れる現象」として捉えることで、曖昧だった理解が急に輪郭を持ちます。また、治療についても、薬だけが魔法のように効くわけではなく、傾聴のような基本的な関わり方や、患者さん本人との共同意思決定が現実的にどれほど重要かが具体的に語られていて、日常の接し方に落とし込みやすいです。さらに、再発をゼロにするのではなく、生活の選択を一緒に調整しながら「その人の人生を続けていく」という姿勢も印象的でした。 誰かを支えたいけれど、専門家ではない自分に何ができるのか悩んでいる人に特に刺さると思います。病気の説明だけでなく、当事者が抱える孤独や物語に寄り添うという感覚が腑に落ちてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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