
ジョブ型雇用社会とは何か 正社員体制の矛盾と転機 (岩波新書)
濱口 桂一郎
岩波書店 / 2021-09-17
この本について
働き方の話になると、「結局どの制度が正しいのか」「自分のキャリアはこのままで大丈夫なのか」と、どこかモヤモヤが残りがちです。転職やスキルの話をしていても、日本の仕組みそのものが独特すぎて、自分の感覚がズレているのか制度のほうが歪んでいるのか、判断がつかなくなる瞬間があると思います。 この本は、そのモヤモヤの正体をかなり具体的に言語化してくれます。例えば、正社員の「全国転勤ありき」が女性のキャリアや少子化とどうつながっているのか、資格より“長年の付き合い”でスキルを判断する日本の慣行がどれほど世界と違うのか、さらにはメンバーシップ型とジョブ型の根っこの構造がどんな人生設計を促してしまうのか。ふだん当たり前だと思っていた前提が、実は制度由来だったと気づく瞬間が多いです。 読んでみて感じたのは、「日本の働き方の良し悪しを断じる」本というより、いま自分が置かれている環境の“背景地図”を手渡してくれる内容だということです。転職の判断がしにくい理由や、社内スキルが外で通用しづらい理由が、個人の問題ではなく仕組みの問題として見えるようになるだけで、自分の進み方を考える余地が増えるはずです。 今の働き方に小さな違和感がある人、転職・学び直し・キャリア形成で何が引っかかっているのか整理したい人には、特に刺さる一冊だと思います。
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