
人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか
玄田有史
慶應義塾大学出版会 / 2017-04-20
この本について
「人手不足って毎日ニュースになるのに、なんで自分の給料は動かないんだろう。」 働いていても転職を考えていても、ふとそんな疑問がよぎることってありますよね。企業側の言い分も、政策の狙いも、現場の実感といまいち噛み合わないまま時間だけが過ぎていく感じ。僕自身、このモヤモヤをどう扱えばいいのかずっと曖昧でした。 この本が面白いのは、「賃金が上がらない理由」を景気や企業のやる気といったざっくりした話にせず、評価制度や訓練の仕組み、人材の見え方といった“地味だけど現実的なところ”から丁寧に説明してくれる点です。たとえば、能力が上がっても賃金に結びつかないのは、賃金表という仕組みがそもそもそう作られているからだとか、企業内OJTが細ってしまうと、労働市場にそもそも「買える人材」が供給されなくなるといった話は、職場で感じていた行き詰まりと直結してきます。また、政策としての教育訓練やジョブ・カードの位置づけが、単なる制度説明ではなく「情報の非対称性をどう埋めるか」という視点で語られるので、自分のキャリアの置き場も少しクリアになります。 個人的には、正規・非正規の賃金差がなぜ固定化されるのか、そのロジックのほつれを一つずつ見える形にしていく必要があるという指摘が、胸に残りました。現場で感じる違和感を、社会全体の構造につなげて理解したい人に向いている本だと思います。
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ハイライト密度
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