
角川俳句コレクション 読む力 (単行本)
井上 弘美
角川文化振興財団 / 2020-04-01
この本について
俳句を読むとき、「意味はわかったけれど、どこを味わえばいいのか…」というモヤモヤを抱えることが多いと思います。とくに平明な句ほど、読みどころが見えずに立ち止まってしまう。自分もずっと同じ壁にぶつかっていました。 この本は、その行き詰まりを無理にこじ開けるのではなく、「どう光景を見るか」「季語がどう一句を支えているか」といった、読みの足場を丁寧につくってくれます。たとえば、意味に寄りかからず光景そのものに立つ読み方や、切字の働きが内容を切らずにリズムを切るケース、あるいは季語が“ほかの何でもいい”状態になってしまうと句が立たなくなる理由など、読んでいて腑に落ちる場面が多いです。大峯あきらの「自我のはからいを捨てる」という姿勢に触れたときも、俳句を理解するというより、余計な力を抜いて向き合う感覚に近いものを教わりました。 さらに、芭蕉が新しさを題材ではなく“伝統的な季題の捉え直し”で追求していたことや、縦題・横題の区別のように、知らないまま読むと見落としていた視点がじわっと効いてきます。読みの幅が静かに広がる感じがあって、俳句が急に遠くなくなる。 俳句を「わかろうとして余計に迷う人」、あるいは「平明な一句の奥行きに気づきたい人」に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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