
レイシズム (講談社学術文庫)
ルース・ベネディクト and 阿部大樹
すばる舎 / 2021-06-16
この本について
人種差別の話題って、どこか「自分には無関係」と思いたくなる一方で、ニュースを見たり日常の空気を感じたりすると、何となく避けきれない重さがありますよね。僕も「結局どこから考え始めればいいんだろう…」とずっと宙に浮いたままになっていました。 この本がよかったのは、人種差別を“性質の問題”としてではなく、“社会の仕組みや歴史のなかでどう作られてきたか”として見せてくれるところです。例えば、人種に優劣はないと科学が繰り返し示してきた事実や、対立が起きるのは「差異」ではなく「誰かが切り離される状況」が生まれたときだという点。ここを押さえると、ニュースの見え方が変わります。また、文化は人種よりはるかに長い時間軸で連続していくものだという視点も、僕にはけっこう効きました。個々人の属性ではなく、社会の条件が対立を生むという説明は、妙な納得感があります。 レイシズムをどう最小化するかについても、教育や制度、共同の利益をつくることなど、現実的な話が多くて、理想論に寄りすぎていないのがありがたいです。問題を“自分の態度”だけに押し込めず、構造として見たい人に向いていると思います。 「人種差別という言葉にどこか距離を感じながらも、理解せずに通り過ぎたくない人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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