
【合本版】おいしいコーヒーのいれ方(全19冊) (集英社文庫)
村山由佳
集英社
この本について
最近、どうしても自分の気持ちに折り合いがつかないまま日々を回してしまうことがあって、ふとした瞬間に胸の奥がざわつくことがあります。過ちに向き合う覚悟とか、誰かに頼る怖さとか、忘れたいのに忘れられない気持ちとか…。頭では処理しきれない感情が溜まっていくあの感じ、きっと多くの人が抱えているものなんじゃないかと思います。 『おいしいコーヒーのいれ方』は、恋愛小説という枠に収まりながらも、そうした感情の濁りに触れる場面がやたらと多くて、読む側の心の温度に寄り添ってくるところが強いんですよね。たとえば「怒りや恨みは自分をも傷つける」という気づきにしても、「誰かに話すことで初めて軽くなるモヤモヤ」の描写にしても、自分でも整理しきれない感情を一度外に置いて眺め直す手助けをしてくれる。さらに、願いが届かなくても祈った経験が自分の奥に落ちて変化を生む、という視点は、報われなかった努力や恋心に意味を見いだせずにいた時にそっと背中を押してくれる感じがありました。 これは「誰かを大切に想った経験がある人」ほど刺さる気がします。恋愛の話なのに、人生の諦め方とか立て直し方にまで踏み込んでくる。すぐに答えが出るタイプの本ではないけれど、心の深いところで静かに効いてくる物語です。ゆっくり読みたい時にぜひ。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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