
今夜、世界からこの恋が消えても (メディアワークス文庫)
一条 岬
KADOKAWA / 2020-02-22
この本について
人を好きになるって、どう扱えばいいかよく分からない時がありますよね。理由も分からない揺れ方をするし、過去の傷がふと疼く時もあるし、笑いたいのに笑えない日もある。前に進みたいのに、行動する気力がついてこないこともある。こういうモヤモヤを誰にも言えずに抱えたまま、大人になってしまった人は多いと思います。 『今夜、世界からこの恋が消えても』は、その感覚を無理に整理しようとせず、むしろ“そういうものとして受け取っていい”と思わせてくれる物語でした。好きという気持ちは理屈で固められるものじゃないこと。傷は消えなくても痛みは続かないこと。少しだけ無理をしてでも誰かのために動きたくなる瞬間があるなら、それはとても豊かなことだという視点。このあたりが、保存されていた抜粋からも強く響いているんだろうなと感じました。 読んでいて印象的だったのは、「泣いてもいいし、無理しなくてもいい。でも、自分が大切だと思えることには一歩踏み出してもいい」という空気感です。恋愛小説ではあるけれど、恋をしたことがある人の“生活の痛み”にも静かに寄り添ってくる。出会いが人生をどれだけ変えるか、そして変わることをどう受け止めていいのかを、物語を通してゆっくり考えさせられました。 感情の扱いに少し不器用だと感じている人。理由のない好きや痛みを言語化できずに戸惑っている人。そんな人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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