
男らしさの終焉
グレイソン・ペリー and 小磯洋光
フィルムアート社 / 2019-12-25
この本について
最近、「男らしさって結局なんなんだろう」とぼんやり考える時間が増えました。強くあれ、上を目指せ、弱音は隠せ……と言われてきたはずなのに、その通りに振る舞うほどしんどくなる瞬間がある。うまく説明できない違和感だけがじわっと残る。そんなモヤモヤを言語化してくれたのが『男らしさの終焉』でした。 この本の面白いところは、男性性を「敵」として扱わないところです。むしろ、男らしさの犠牲者の半分は男性なんじゃないか、と静かに問いかけてくる。たとえば、怒りの裏にある無力感の話や、序列にしがみつくより自分の感情に気づくほうがよっぽど難しいという指摘は、思い当たる人も多いはずです。また「普通」や「理性的」であろうとする姿勢が、実は自分の可能性を縮めているかもしれないという視点には、個人的にもドキッとしました。 さらに、差別や序列の問題を「遠い社会問題」としてではなく、自分の中のソフトウェアの話として見せてくれるのもありがたかったです。環境やしつけがどれだけ自分の反応を形づくっているかを知るだけで、少し息がしやすくなる。男らしさを手放すのではなく、選び直す感覚に近いかもしれません。 自分の中の「こうあるべき」にうっすら疲れている人にこそ刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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