
なぜ今、仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 (ハヤカワ文庫NF)
ロバート ライト and 熊谷 淳子
早川書房 / 2020-08-05
この本について
仕事で気が張っているときや、人前に立つ前の夜って、理由のわからない不安に振り回されることがありますよね。逃げたいのに逃げられないし、落ち着こうとしても逆に思考が暴走する。自分でも扱いきれない感情に「またか…」とつぶやくしかない、あの感じです。 この本が面白いのは、不安を“なんとかしよう”とする前に、「そもそもその不安は自分の一部なのか?」という視点をそっと差し出してくれるところでした。不安やいらだちを、良いとか悪いとか決めずにただ観察する、というアプローチが具体的に語られていて、著者自身が講演前の深夜にやってみたら実際にどう変わったのか、というリアルな描写もあるんですよね。抽象的な精神論ではなく、感覚レベルで起きる変化に丁寧に触れているのが読みやすいです。 もう一つ刺さったのは、感覚や思考に勝手に“意味”を与えてしまう癖を、少し距離を置いて見る話でした。音も不安も、ただ現象としてそこにあるだけで、本性は自分がつくり出している。そう思うだけで、同じ出来事でも反応が変わっていく感覚があります。 「不安に弱い自分をなんとかしたいというより、不安との距離感を変えたい」という人に向いている本です。自分を無理にアップデートしなくても、見方を少し変えるだけで扱いやすくなるものがあるんだな、と静かに実感できます。
読書インサイト
ハイライト密度
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