
対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか
水島広子
創元社 / 2010-03
この本について
人前で話す前になると「また頭が真っ白になるかもしれない」と考えすぎて、準備した内容どころではなくなることってありますよね。しかも、一度うまくいかなかった経験があると、「やっぱり自分はダメなんだ」と過去の不安まで呼び起こしてしまう。頭では気にしすぎだとわかっていても、身体が勝手に反応してしまう感じ、けっこうしんどいと思います。 この本が教えてくれたのは、不安そのものを“なくそう”と力むのではなく、「今の自分がどんな役割を担っているのか」に目を向けると少し呼吸ができるということでした。緊張する役割に入ったら不安が出るのは自然な流れで、それを自分の人格の弱さと結びつけなくていい。また、不安が一進一退で進むものだと知っているだけで、「また症状が出たな」と軽く受け流せるようになるのも大きかったです。さらに、自分のニーズを飲み込んで人に合わせすぎることで、逆に距離が縮まらなくなる……という指摘は、思い当たる人が多いはずです。 もし「人にどう見られるか」ばかり気にして疲れてしまうタイプなら、この本の考え方はけっこう助けになると思います。完璧になれと言わず、不安の扱い方を少しずつ変えていく。その現実的な姿勢が、自分を責め続ける癖をゆるめてくれました。
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