
言語の七番目の機能 (海外文学セレクション)
ローラン・ビネ、高橋 啓
東京創元社 / 2026-01-30
この本について
仕事でも日常でも、言葉をどう扱えばいいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。うまく伝えたつもりが空振りしたり、逆に何気ない一言が相手に妙に響いてしまったり。言葉ってただの道具じゃないのに、じゃあ何なのかと言われると説明しづらいまま悩みが残る。僕もよくそこで立ち止まります。 この本が面白いのは、「言葉が世界にどう作用してしまうのか」という視点で物語が動いていくところです。たとえば、誰かが発した一文がなぜ人を不安に追い込み、なぜ政治の場では勝った瞬間に空気が変わるのか。物語として楽しめるのに、読んでいるうちに自分の日常の場面に引き寄せて考えてしまう。言葉の“効き方”が、単なる説明ではなく具体的なシーンとして描かれているからだと思います。 個人的には、状況をただ記述するだけの発話と、世界を少し動かしてしまう発話の差を意識できるようになったのが大きかったです。会議でのひと言の重みとか、相手の不安を増幅させてしまう言い回しとか、そういう細かいところに気づけるようになる。物語なのに、読み終えると現実のコミュニケーションの景色がちょっと変わります。 言葉の扱いに自信がないまま大人になってしまった人ほど刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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