
言語が消滅する前に (幻冬舎新書)
國分功一郎 and 千葉雅也
幻冬舎 / 2021-11-25
この本について
仕事でも日常でも、言葉がうまく届かない瞬間ってありますよね。自分の言葉が浅く感じたり、やり取りが全部「正しさ」や「効率」だけで回っている気がして、妙に息苦しくなるあの感じ。僕もそこから抜け出せずにいた時期が長くて、この本を読んだときにちょっとだけ景色が変わりました。 面白かったのは、言葉を「距離をつくるもの」として扱う視点でした。距離があるから衝突しないし、言葉を迂回させることで気持ちが直接ぶつからなくなる。SNSでの即応的な反応に慣れた身には、この感覚が逆に新鮮でした。また、五味太郎の絵本の話のように、意味づけでもナンセンスでもない「ただ言葉で遊ぶ」態度に触れると、自分がいつの間にか言葉を成果物としてしか見られなくなっていたことにも気づきました。 もう一つは、「勉強は達成ではなくプロセスの中にいる状態」という中動態の話です。やってもやっても終わらない、でもそれでいいんだと言われると、いま抱えている不安が少しだけ軽くなる。責任や生産性からいったん距離を置いて、自分の言語をゆっくり育て直す時間を許される感じがあります。 刺激的に見えるけれど、読んでみると落ち着いた処方箋のような本です。言葉に振り回されている感覚のある人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの68%が集中しています。
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