
人財島 (角川文庫)
根本 聡一郎
KADOKAWA / 2020-09-24
この本について
仕事の場で、人が「数字」や「効率」でしか評価されない空気に、どこか疲れてしまうことがあります。自分も必死にやっているつもりなのに、上手く立ち回れる人だけが得をして、こつこつ支えてきた人ほど置き去りになる。そんな場面に出会うたびに、何を大事にして働けばいいのか分からなくなるんですよね。 『人財島』が刺さるのは、このモヤモヤを“きれいごと抜きで扱っている”からだと思います。崩れかけた建物に必要なのは無駄の削減じゃなく補強だ、という描写は、疲れ切った組織や人にどんな視点が必要なのかを、やや痛いほど示してきます。また、レールからこぼれた人たちのために梯子を作るという言葉は、弱さに寄り添うことを「甘さ」ではなく「支えるという行為」として捉え直してくれる。効率と生産性だけを追うことが、結局は自分たちの首を絞めていくという指摘も、最近の職場事情にそのまま当てはまります。 読みながら、自分の周囲にも思い当たる場面がいくつも浮かんできました。役に立つかどうかより、まず助けるという姿勢を持つ人間でいたいと、少しだけ背中を押されます。綺麗事ではなく、現実の重たさを踏まえたうえで「それでも支える側でいたい」と思いたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
読書の順序
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