
人間の経済(新潮新書)
宇沢弘文
新潮社 / 2017-04-17
この本について
仕事でも生活でも、「これって本当に人の役に立つ方向に向かっているのか」と考え込んでしまう時があります。成果や効率の数字ばかり追いかけるほど、肝心の“人間らしさ”が後ろに押しやられていく感じがして、なんとなく落ち着かない。そんなモヤモヤを言語化してくれるのが『人間の経済』でした。 読んでいて胸を打たれるのは、工学や医療や教育といった専門分野が、本来は人の生活を支えるための営みだったという当たり前の事実を、改めて突きつけてくるところです。たとえば「工学とは社会に人間らしい生活をつくるためのストラクチャーだ」という指摘は、日々の仕事を“ただの金儲け”で終わらせない視点の軸を思い出させてくれるし、医療や教育が一度モラルを壊されると回復が難しいという話は、自分の仕事にも当てはまる現実味があります。環境問題や公共投資の議論も、政策の数字ではなく「そこに生きる人の心と生活」を基準に語られていて、読んだあとに自分の物差しが少し変わります。 現場で迷ったり立ち止まったりしながら、「それでも人の役に立つ形で働きたい」と思っている人には特に刺さる本だと思います。数字優先の世界に疲れたとき、自分の足元をもう一度整えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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