
ジョン・デューイ 民主主義と教育の哲学 (岩波新書)
上野 正道
岩波書店 / 2022-10-20
この本について
仕事でも日常でも、人と関わる場面で「正解がわからないまま手探りで動いている感じ」が抜けないことがあります。自分の判断に自信が持てなかったり、学ぶことの意味がふっと曖昧になったり。そんなときにデューイの考え方に触れると、少し呼吸がしやすくなる感覚がありました。 この本が効く理由のひとつは、教育や学びを“準備のためのもの”ではなく、“いまの生活そのもの”として捉え直させてくれるところです。経験を振り返り、そこから次の一歩を考えるだけでも立派な学びなんだと背中を押してくれる。そしてもうひとつは、社会に参加することを特別な行為ではなく、日々のコミュニケーションの延長として見せてくれる点。学校が小さなコミュニティになるように、私たちの仕事や暮らしも、誰かとの関わりのなかで形づくられていくのだと気づかされます。 派手な成功論ではなく、未成熟さを「可能性」として扱う視点も、この本の静かな魅力です。思考は行動の結果を確かめるプロセスだというデューイの姿勢は、迷いの中で立ち止まる自分を責めなくていいと言っているようでした。 「学びと生活がどうつながっているのかが気になっている人」に、じわっと沁みる一冊だと思います。
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