
本性 (角川文庫)
伊岡 瞬
この本について
人間関係で「ここまで嫌なのに、なぜ離れられないんだろう」とか、「相手の言動に違和感があるのに、うまく言語化できない」といったモヤモヤを抱えることってあります。自分の感じている不快さが正しいのか、自分のほうが神経質なのか、その判断がつかなくなるあの感じです。 『本性』の抜粋がよく保存されているのは、おそらく“境界線を無視される苦しさ”が、かなり生々しく描かれているからだと思います。相手はこちらの気持ちを見ないまま自分の都合だけ押しつけてくる。その関係が長く続くと、嫌悪と自己否定が同時に育っていく。そのプロセスが具体的な場面で描かれるので、自分の体験と照らして「あ、こういう圧って、こうやって進行していくんだ」と冷静に見られるようになります。 さらに、この作品は加害・被害という単純な構図では終わらず、「なぜそういう行動になるのか」「周囲はどう反応するのか」の連鎖も描いてくれます。読みながら、自分が苦手な人の言動を少し引いた視点で観察できるようになったのは、この本のおかげでした。物語として読めるのに、あとからじわじわ効いてくるタイプです。 自分の“違和感のセンサー”を一度リセットしたい人に刺さります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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