
砂戦争 知られざる資源争奪戦 (角川新書)
石 弘之
KADOKAWA / 2020-11-10
この本について
日常で使っているものが、どこから来ているのか。分かっているようでよく分からないまま過ごしてしまうことってありますよね。環境問題も、人口問題も、どこか“大きすぎる話”に感じて、自分の生活とはうまく結びつかないままモヤモヤしてしまう。僕自身もそのタイプでした。 この本が面白いのは、そういう抽象的な議論を、足元にある「砂」という超身近な素材に置き換えて見せてくれるところです。コンクリートの七割が砂でできていて、パソコンの半導体にも砂の石英が使われている。つまり、僕らが立っている床も、手元のデバイスも、想像以上に“砂”に依存している。そこから一気に、世界中で河川の砂が枯渇しつつある現実や、砂漠の砂が役に立たない理由、巨大ダムが砂の流れを断ち切ってしまう構造までつながっていきます。いつの間にか「遠い環境問題」の話が、自分の生活と地続きの感覚になってくるんです。 さらに意外だったのは、砂が悪者ではなく、酸性雨を中和したり、農地に栄養を運んだりと、自然界の循環に深く関わっているという点。足りなくても困るし、取りすぎても壊れる。その微妙なバランスが、僕らの社会と自然の関係を象徴しているように感じました。 大きなテーマに向き合いたいけど、まず何から考えればいいか分からない人には特に刺さると思います。肩肘張らずに読めるのに、読み終わったあと世界の見え方が一段変わる、そんな一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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